To Be Hero X つまらない？面白くない？評価が割れる理由

「To Be Hero X はつまらない」「面白くない」という声を耳にして、視聴を迷っていませんか？本作は、bilibiliとアニプレックスという制作会社がタッグを組んだ、今期注目のアニメです。しかし、その評価は賛否両論となっています。

そもそも To be hero x とは、「信頼値」が力になるという非常に独特な世界観を持つ作品です。「ギャグが寒い」「テンポが速すぎる」といった否定的な意見がある一方で、「作画が神」「中毒性があって面白い」という熱狂的な声も確かに存在します。

なんjなどの掲示板では独特のノリがネタにされつつも、澤野弘之氏が手がける主題歌や豪華声優陣は高く評価されています。また、魂電（こんでん）編や注目すべきは何話か、といった時系列の複雑さや、何かの元ネタがあるのでは？という疑問も、評価が分かれる一因でしょう。

さらに、制作がどこの国か（中国との合作）という点や、地上波の具体的な視聴率が不明瞭な点も、視聴前の不安要素かもしれません。この記事では、そうした賛否両論の「評価」を徹底的に分析し、あなたが視聴すべきかどうかの判断材料を多角的に提供します。

To be hero x つまらない 面白くない 理由の背景

「このアニメが刺さらないのは、つまらないからじゃない。」
そう感じさせる“何か”が、『To Be Hero X』には潜んでいます。「面白くない」「意味がわからない」——そうした声が生まれる背景には、この作品が抱える「特殊な成り立ち」そのものが関係していました。

ここでは、まず評価の土台となる作品の骨格を解き明かします。どこの国で、誰が、どのような意図でこの物語を紡いだのか。その背景を知ることで、あなたの「なぜ？」が少しずつ見えてくるはずです。

そもそも To be hero x とは？

『To Be Hero X』は、ただのヒーローアニメではありません。この作品の最大の特徴は、「信頼」が力になる世界観にあります。

人々が「あのヒーローは空を飛べる」と信じれば本当に飛べるようになり、逆に信頼を失えば能力も失ってしまうという、非常に現代的で皮肉な設定が物語の核となっています。ヒーローたちは人々の「信頼値」によってランキング化され、その頂点「X」を目指して戦います。

この「信頼＝力」というシステムが、単なるバトルだけでなく、SNSでの評価や承認欲求といった現代社会の側面を映し出すため、物語に深いテーマ性を与えています。しかし、この設定が序盤で十分に説明されないため、「意味がわからない」と感じる視聴者もいるようです。

『To Be Hero X』の世界観

• 信頼値システム：人々の信頼がヒーローの力の源泉。
  
  
• ヒーローランキング：信頼値によってヒーローの順位が変動する。
  
  
• ヒーロートーナメント：2年に一度開催され、ランキングが再構築される。
  
  
• X（エックス）：ランキングの頂点に立つ絶対的ヒーローの称号。

制作は どこの国か

『To Be Hero X』は、日本と中国の共同製作（合作）アニメです。

具体的には、中国の大手動画配信プラットフォームであるbilibili（ビリビリ）と、日本のアニメ製作大手であるアニプレックスがタッグを組んでいます。この国際的な制作体制が、本作の独特な作風を生み出す要因となっています。

日本のアニメ文法と、中国アニメ特有のダイナミックな演出や色彩感覚が融合しているのです。一方で、このハイブリッドなスタイルが、一部の視聴者にとっては「中華アニメらしさが合わない」「テンポが日本のアニメと違う」といった違和感の原因になることもあります。

海外レビューでは、この日中のハイブリッドなスタイルが「アニメの新しい文法（Anime’s New Grammar）」として高く評価される傾向にあります。国内の評価とは異なる視点があるのも興味深い点です。

アニメ 制作会社 はどこか

本作のアニメーション制作を担当しているのは、中国のスタジオ「BeDream」です。

BeDreamは、本作の原作・総監督でもあるリ・ハオリン（李豪凌）氏が率いるアニメーションスタジオです。リ・ハオリン監督は、過去に『時光代理人-LINK CLICK-』といった話題作を手がけたことでも知られています。

『時光代理人』で注目されたスタイリッシュな演出やエモーショナルな物語展開は、本作『To Be Hero X』にも受け継がれています。日本のアニプレックスが企画・製作に関わり、実制作を中国の有力スタジオが行うという、現代的な制作体制が取られています。

元ネタ やパクリ疑惑の真相

『To Be Hero X』には特定の「元ネタ」は存在せず、リ・ハオリン監督による完全オリジナル作品です。

ただし、一部の視聴者から「パクリではないか？」という声が上がることがあります。その理由は、設定の一部が他の人気作品と似ていると感じられるためです。

構造的類似性であり「パクリ」ではない

ネット上で指摘されがちなのは、「ヒーローランキング制度」や「能力バトル」といった要素です。しかし、これらはジャンルとしての構造的な類似性に過ぎず、盗作や模倣（パクリ）ではありません。

似ていると指摘される作品	類似点	『To Be Hero X』との明確な違い
『僕のヒーローアカデミア』	ヒーローが社会に存在する ヒーローランキング	力の源泉が「個性」ではなく、 他者からの「信頼」である点。
『ワンパンマン』	ヒーロー協会による等級システム ギャグとシリアスの混在	力の源泉が「信頼」であり、 社会風刺的なテーマがより強い。

このように、『To Be Hero X』は既存のヒーロー作品の構造を踏まえつつも、「信頼」という独自のテーマで全く新しい物語を構築しています。

話題の主題歌と音楽

『To Be Hero X』は、「音楽が神」という点で多くの視聴者から絶賛されています。

本作の劇伴（BGM）を手がけているのは、澤野弘之氏です。『進撃の巨人』や『機動戦士ガンダムUC』などで知られる同氏の、重厚でエモーショナルなサウンドが作品の世界観を劇的に高めています。

特にオープニングテーマや挿入歌は、映像とのシンクロ率が非常に高く、鳥肌モノだと話題です。

主要な楽曲リスト

• オープニングテーマ:
  SawanoHiroyuki[nZk]:Rei「INERTIA」
  
  
• エンディングテーマ:
  SennaRin「KONTINUUM」
  
  
• ナイス編 劇中歌:
  Benjamin & mpi「PARAGON」

「音楽が良すぎて視聴をやめられない」「OPだけで泣ける」といった声も多く、音楽の力が作品全体の評価を底上げしていることは間違いありません。

To be hero x つまらない 面白くない 評価の内訳

作品の骨格を知った今、私たちが向き合うべきは、その「感情」の内訳です。「つまらない」と切り捨てたその手と、「面白い」と握りしめたその手。どちらも、この作品に向けられた真実の反応に他なりません。なぜ、私たちはここまで揺さぶられるのでしょうか。

ここでは、「to be hero x つまらない 面白くない」という評価の具体的な“内訳”を深掘りします。どの話数が“神回”と呼ばれ、どの構成が“混乱”を生んだのか。そして、ネットの熱狂（なんj）や視聴率はどうなっているのか。賛否の“理由”を知ることで、あなただけの“答え”が見つかるはずです。

面白い という意見と魅力

「つまらない」という手厳しい評価が存在する一方で、『To Be Hero X』にはそれを遥かに凌駕する熱量で「面白い」と絶賛する声が多数存在します。クセの強さに隠れがちですが、本作には視聴者を惹きつけて離さない、確かな魅力と圧倒的なクオリティが備わっています。

主な魅力は、「①圧巻の映像美（作画・演出）」「②豪華キャスト陣による魂の熱演」「③現代に刺さるストーリーとテーマ性」の3点に集約されるでしょう。

①圧巻の映像体験：作画と演出

本作を「面白い」と語る上で、まず避けて通れないのが、「劇場版クオリティ」とも評される圧巻の映像体験です。TVアニメの常識を超えたビジュアルが、多くのファンを生み出す最大の原動力となっています。

その秘密は、セルルック3Dと伝統的な手描きアニメーションを高次元で融合させたハイブリッドな制作手法にあります。特にバトルシーンでは、視線を強制的に誘導するような大胆な構図や、戦闘中にキャラクターの周囲を回り込むようなダイナミックなカメラワークが多用され、息つく暇もないほどの密度と迫力を生み出しています。

演出の「振れ幅」も本作の大きな特徴です。ギャグシーンでは意図的に線を崩したコミカルな作画で笑いを誘う一方、シリアスなモードでは空気の張り詰め方まで変わるような緻密な美術と、テンポの速いカット割りに切り替わります。この巧みな緩急が、視聴者の感情を強く揺さぶるのです。

②魂を揺さぶる声優陣の熱演

豪華声優陣が、その実力を遺憾なく発揮している点も見逃せません。主人公「X」を演じる宮野真守さんをはじめ、花江夏樹さん、中村悠一さん、花澤香菜さん、山寺宏一さんなど、まさに日本のアニメ界を代表するトップランナーたちが集結しています。

SNSでは「声優の演技が熱すぎて涙が出た」「声だけで笑えるし泣ける」といった絶賛の声が相次いでいます。特に本作はクセの強いキャラクターが多いですが、その人間味や内面の葛藤を、声優陣の圧倒的な表現力が支えていることは間違いありません。

③共感を呼ぶ「凡人」のヒーロー像

『To Be Hero X』が単なる作画アニメで終わらない最大の理由は、そのストーリーとテーマ性にあります。

本作のヒーロー像は、従来の「選ばれし者」ではありません。突出した才能を持たない「凡人」が、人々の「信頼」を集めることで力を得ていく姿は、「選ばれるために悩み、行動する者」の物語であり、多くの視聴者に「自分ごと」として深く刺さっています。

「信頼こそが力になる」という主題は、SNSでの評価が人の価値に直結しがちな現代社会への鋭い問いかけとも受け取れます。単純な勧善懲悪ではない「倫理のグレーゾーン」や「価値観のぶつかり合い」を丁寧に描くことで、物語に確かな深みを与えています。

このように、映像、演技、物語のすべてが規格外の熱量で作り込まれている点こそが、『To Be Hero X』が「面白い」と熱狂的に支持される理由なのです。

注目すべきは 何話か

『To Be Hero X』の評価は、視聴する「話数」によって大きく変動する可能性があります。特に以下のエピソードは、視聴者の評価が分かれるターニングポイントです。

第1話：圧倒的CGとハイテンポ

まず、第1話はほぼ全編がセルルック3Dで描かれます。この独特なビジュアルと、ギャグとシリアスが目まぐるしく入れ替わるハイテンポな展開に、「ついていけない」「ギャグが寒い」と感じるか、「新しい」「テンポが良くて好き」と感じるかで、最初のふるいにかけられます。

注意：本作は第1話から第7話まで、ほぼ全編がフルCGで展開されます。このビジュアルが苦手な場合、序盤は視聴が難しいかもしれません。

第8話：突然の2D作画への切り替え

本作の構成で最も驚かされるのが第8話です。 CGアニメだった物語が、第8話から突如として全編2Dの手描きアニメーションに切り替わります。 この大胆な構成変更により、「CGが苦手だったけど8話から神アニメになった」「むしろCGの方が良かった」など、再び評価が二分されます。

また、物語も主人公が交代し、時系列も過去に遡るため、構成の複雑さに戸惑う声も出ました。

こんでん編の時系列と謎

視聴者が「意味不明」と混乱する最大の要因の一つが、複雑な時系列とオムニバス形式のストーリー展開です。

特に第5話から第7話にあたる「魂電（こんでん）編」は、第1話〜第4話の「ナイス編」の後の話だと思いきや、実際にはナイス編よりも過去の出来事を描いています。作中で時系列に関する明確な説明が少ないため、視聴者が混乱しやすい構造になっています。

時系列のヒント

魂電編では、ナイス編で破壊されたはずの「スタンドの象」がまだ建っているなど、時系列が過去であることを示唆する描写があります。公式サイトには作中の年表（HISTORY）も用意されているため、混乱した場合はそちらを参照するのも一つの手です。（参照：To Be Hero X 公式サイト HISTORY）

また、魂電編の最後に登場するジュース屋の店長が、実はオーディションの黒幕であったことが示唆されるなど、物語の裏で暗躍する存在も描かれ、謎が深まる構成となっています。

なんj での評価と反応

匿名掲示板「なんj」などでは、『To Be Hero X』は「ネタにされながらも愛される」タイプの作品として扱われる傾向にあります。

特にネタにされやすいのは、ヒーローたちの独特なネーミングセンスです。「黙殺（もくさつ）」（CV：中村悠一）や「ロリ」（CV：佐倉綾音）といった強烈な名前に対し、「厨二感がすごい」「名前で笑う」といったツッコミが多数見られます。

しかし、こうしたツッコミはありつつも、

• 作画クオリティの高さ
• 澤野弘之による音楽の良さ
• 豪華声優陣の演技力

といった作品の「格」については、なんjでも高く評価されているのが特徴です。「なんだかんだ言いつつクオリティは本物」というのが、共通認識となりつつあります。

「黙殺が本当に黙ってるのに強すぎる」「名前はダサいけどバトルは熱い」など、アンチもファンも一体となって盛り上がれる熱量の高さが、本作の強みとも言えます。

視聴率と配信人気

『To Be Hero X』の人気を測る上で、地上波の「視聴率」は現時点であまり参考にならない、というのが実情です。確かに、本作はフジテレビ系列の日曜朝9時30分という、かつて長年にわたり『ONE PIECE』が放送されていた国内有数の優良枠で放送されています。

しかし、これほどの注目枠であるにもかかわらず、視聴率の数字が（良くも悪くも）大きく報道されていないこと自体が、本作の特殊な立ち位置を象徴しています。

なぜなら、『To Be Hero X』はbilibiliとアニプレックスが主導する国際共同製作プロジェクトであり、企画段階からテレビ放送よりも「配信」を主戦場として明確に想定しているからです。制作陣にとって、日本国内の地上波放送は、作品の認知度向上やブランディングが主な目的であり、成功の指標（KPI）は視聴率ではない可能性が極めて高いのです。

マネタイズの主軸は「配信」

本作のビジネスモデルは、旧来の日本のアニメとは異なり、bilibili本体やNetflix、Amazon Prime Videoなどを通じたグローバルな配信収益が中心と考えられます。そのため、視聴率という国内限定の指標で人気を測ること自体が、作品の実態とズレてしまうのです。

実際の人気は、まさに配信プラットフォーム上で顕著に表れています。日本国内はもちろん、海外での評価が特に高く、アメリカ、フランス、中国、韓国といった国々のアニメレビューサイトやコミュニティ（Redditなど）では、「2025年春アニメのベスト5に入る」と評されるほどの熱狂を生んでいます。

海外では特に、日本と中国の制作スタイルが融合した「アニメの新しい文法」として演出面が絶賛されているほか、澤野弘之氏による音楽、そして劇場版レベルの作画クオリティが人気を牽引しています。

このように、『To Be Hero X』の成否は、旧来の「視聴率」というモノサシでは測れません。グローバルな配信再生数やSNSでの言及数こそが、この作品の真の人気を示すバロメーターだと言えるでしょう。

総括：To be hero xはつまらない? 面白くない?

『To Be Hero X』が「つまらない」「面白くない」と感じるかどうかは、その挑戦的な作風を受け入れられるかどうかにかかっています。最後に、本記事の要点をリストでまとめます。

• 本作は日中合作の完全オリジナルアニメ
• bilibiliとアニプレックスが製作、制作はBeDream
• 評価は「つまらない」派と「面白い」派で真っ二つ
• 「信頼値」が力になる独特な世界観が特徴
• つまらないと感じる理由は主に3つ
• 理由1：ハイテンポな展開とクセの強いギャグ
• 理由2：序盤のフルCG作画への好み
• 理由3：オムニバス形式と複雑な時系列
• 面白い理由は主に3つ
• 理由1：劇場版レベルの作画とバトルシーン
• 理由2：澤野弘之による圧巻の主題歌と音楽
• 理由3：豪華声優陣の熱演とキャラの魅力
• 元ネタはなく完全オリジナル作品
• なんjではネタにされつつもクオリティは高評価
• 視聴率は不明だが配信では世界的に高人気
• 第8話から2D作画に切り替わる構成は必見
• 魂電編はナイス編より過去の話
• クセは強いが、ハマれば唯一無二の体験ができる作品

ライターコラム

「つまらない」「面白い」 私たちが普段、いとも簡単に口にするその言葉が、これほどまでに無力だと感じたのは久しぶりです。

この記事を書くために、私は何度も『To Be Hero X』を観返しました。 最初は、多くの人と同じように「なんだこのアニメは」と思いました。 テンポが速すぎて、ギャグが寒くて、CGが馴染めない。 「つまらない」というレッテルを貼る準備は、もうできていました。

でも、違ったんです。

第4話でシャオ・ユエチンが撃たれるシーン。 第8話で、世界から色が失われたかのような2D作画に切り替わった瞬間。 そして、魂電が守りたかった「普通の一日」。

彼らが必死で守ろうとしたものは、「評価」や「ランキング」なんかじゃなかった。 ただ、“信じたかったもの”を失いたくないという、あまりにも人間的な、痛々しいほどの叫びでした。

この作品が怖いのは、私たち視聴者の「信頼」すらも物語のエネルギーにしているところです。 私たちが「この展開は熱い」と信じれば、それは“神回”になる。 私たちが「このギャグは寒い」と拒絶すれば、それは“駄作”になる。

リ・ハオリン監督は、私たちに問いかけていたんです。 「それでも、あなたは物語を信じ続けますか？」と。

この記事で、私は賛否両論の「理由」を整理しました。 でも、本当に書きたかったのは、そんな分析じゃありません。

「信頼」という言葉の重さに押し潰されそうになりながら、それでもヒーローであろうとした彼らの“痛み”です。 私たちが「つまらない」と感じたのは、もしかしたら、 彼らが必死で隠していた“弱さ”や“孤独”を、 無意識に見抜いてしまったからなのかもしれません。

もう一度、1話から観直そうと思います。 今度は、「評価」するためではなく、彼らと同じ“痛み”を感じるために。