あなたは人気アニメ『キングダム』を視聴して、元王騎軍副官・騰の姿に「この人、ただ強いだけじゃないな…」と感じたことはありませんか?その感覚、非常によく分かります。キングダムにおける騰は、面白いキャラクターとして多くの読者の心を掴んで離しません。
その魅力の源泉は、緊迫した戦場で繰り出される騰の録嗚未いじりや、今は亡き主君を彷彿とさせる独特な笑い方にあるのかもしれません。また、彼の代名詞とも言える剣技ファルファルの謎や、作中で描かれた伝説的な城壁からの飛び降りシーンも強く印象に残ります。
彼の戦闘力はまさに強すぎると言えるレベルですが、その背景には師である王騎と騰の出会いから続く深い絆や、キングダムにおける騰の史実との興味深い違いも隠されているのです。
ファンの間ではなんJなどの掲示板でも彼の言動が度々話題にのぼり、今後の展開、特に死亡フラグに関する憶測も絶えません。この記事では、そんな騰がなぜ面白いのか、その多角的な魅力を深く、そして鋭く解き明かしていきます。
この記事のポイント
- 騰の面白さの源泉であるユーモアの具体例
- 圧倒的な強さとコミカルな性格のギャップ
- 史実の人物像と漫画でのキャラクター造形の違い
- 今後の展開に関する注目ポイントと考察
キングダムの騰が面白い5つの理由

キングダムに登場する数多の武将の中でも、騰が放つ独特の魅力は、私たちの心を掴んで離しませんよね。普段の飄々とした佇まいと、戦場で見せる圧倒的な実力。そのギャップに驚かされた方も多いのではないでしょうか。
しかし、彼の面白さは単なる強さとの対比だけでは語り尽くせません。そこには、腹心との信頼関係から生まれる絶妙な掛け合いや、今は亡き主君への敬愛が滲む言動、そして「ファルファル」という謎の言葉の奥に隠された、緻密なキャラクター造形が存在します。
ここでは、そんな騰の面白さを構成する5つの重要な要素を一つひとつ丁寧に紐解き、なぜ私たちが彼にこれほどまでに魅了されるのか、その理由に迫ります。

騰の録嗚未いじりはなぜ面白いのか

キングダムにおける騰の面白さを語る上で、腹心である録嗚未(ろくおみ)とのやり取りは欠かせません。
騰の録嗚未いじりが面白い結論は、「ポーカーフェイスで放たれるブラックジョーク」と「録嗚未の完璧なツッコミ」という、二人の絶対的な信頼関係から生まれる様式美にあります。
シリアスな戦況の最中でも、騰は平然と録嗚未が既に亡くなったかのような発言を繰り返します。例えば、合従軍戦で強敵・臨武君(りんぶくん)を討ち取った直後、死んだ者たちへの手向けとして放ったこのセリフはあまりにも有名です。
「あの世で同金・鱗坊・録嗚未と酒でも飲むがいい」
これに対し、すぐさま録嗚未が「今 俺を入れたよな…(怒)」とツッコミを入れるまでがお決まりの流れ。この一連のやり取りは、読者に緊張感の中での束の間の笑いを提供してくれます。
なぜなら、この「死んだふりいじり」は、騰が録嗚未の実力を深く信頼し、「彼がそう簡単に死ぬはずがない」と確信しているからこそできる、最高級の愛情表現だからです。何度も窮地に陥りながらも必ず生還する録嗚未のタフネスを知っているからこその、質の悪いジョークなのです。
この二人の関係性は、単なる上司と部下ではありません。「いじる側」と「ツッコむ側」という役割が確立された、もはや熟練の漫才コンビのようです。読者が「そろそろ来るぞ…」と期待したところで、期待を裏切らないやり取りが繰り広げられる。この安心感と面白さが、騰のキャラクターを一層魅力的にしているのだと私は考えています。
このように、騰の録嗚未いじりは、ただの悪ふざけではなく、二人の深い絆と信頼を背景にした、計算されたユーモアと言えるでしょう。
王騎を真似た独特な笑い方が話題に

騰のユーモアは、今は亡き主君・王騎将軍への深い敬愛から生まれるものもあります。その代表例が、王騎の独特な笑い方や口調の模倣です。
王騎将軍といえば、「ンフフフ」や「ココココ」といった特徴的な笑い方が印象的でした。騰は王騎亡き後、まるでその魂を受け継ぐかのように、重要な局面でこの笑い方を真似てみせることがあります。
例えば、合従軍戦の開戦前、蒙武(もうぶ)将軍と対峙した場面。騰は「ンフフフ お久しぶりですねェ 蒙武さん お元気でしたかァ?ココココ」と、完璧な王騎節を披露しました。もちろん、蒙武からは「全く似ていない」と一蹴されてしまいますが、このやり取りは多くの読者の笑いを誘いました。
王騎の模倣に込められた意味
騰が王騎の真似をするのは、単にふざけているだけではありません。そこには、偉大な主君へのリスペクトと、その遺志を継いで戦うという決意表明が込められています。王騎軍を率いる将軍として、かつての主君がそうであったように、どんな窮地でもユーモアと余裕を忘れないという姿勢を示しているのです。
また、この模倣は、王騎の存在が今なお騰の中に、そして秦軍の中に生き続けていることを示す感動的な演出でもあります。普段は感情を表に出さない騰が、主君の真似をする。そのギャップが、彼の人間的な魅力をより一層引き立てているのです。
代名詞ファルファルという剣技の謎

騰を象徴する要素として、謎のオノマトペ「ファルファル」を忘れることはできません。これは、騰が剣を振るう際に描かれる独特の効果音であり、彼のキャラクターの大きな魅力の一つとなっています。
この「ファルファル」の正体については、ファンの間で様々な解釈がなされています。
- 剣を高速回転させた際の擬音であるという説
- 騰自身が口に出している掛け声であるという説
アニメ版や実写映画では、主に剣の動きを表現する効果音として採用されており、高速で回転する剣が空気を切り裂く音として表現されています。しかし、原作の描写だけを見ると、彼自身が発しているようにも読み取れるため、真相は謎に包まれたままです。
「ファルファル」のルーツが明かされたおまけ漫画
実は、コミックス54巻と55巻に収録されているおまけ漫画で、この「ファルファル」のルーツが描かれています。それによると、幼き日の騰が剣術の師匠から「螺旋」を極める奥義を伝授されるエピソードがあり、その師匠が「お前はお前の最高のファルファルの音色を見つけるのだ」と語っているのです。
ここから、「ファルファル」とは螺旋の動きを極めた剣技が生み出す特殊な音であることが示唆されています。
いずれにせよ、「ファルファル」という一度聞いたら忘れられない響きは、騰のミステリアスで底知れない強さを見事に表現しています。シリアスな戦闘シーンに突如として現れるこの言葉が、読者に強烈なインパクトと一種の面白さを与えていることは間違いありません。
面白いのに強すぎというギャップの魅力

騰が多くの読者から愛される最大の理由は、その「コミカルな言動」と「圧倒的な強さ」との間に存在する強烈なギャップにあると言えるでしょう。
普段はポーカーフェイスで冗談を飛ばし、録嗚未をからかって楽しむお茶目な人物。しかし、ひとたび戦場に立てば、その実力は秦国の中でもトップクラスです。
その強さは、かつての主君・王騎将軍自身が「本来であればあなたの実力は私に見劣りしない」と最大級の賛辞を贈るほど。実際に、合従軍戦では楚の猛将・臨武君を一騎討ちで討ち取り、什虎城(じゅうこじょう)攻めでは楚の若き天才・項翼(こうよく)とも互角以上に渡り合うなど、数々の武功を挙げています。
このように、普段の飄々とした姿からは想像もつかないほどの武力と、戦局全体を冷静に見渡す知略を兼ね備えているのです。読者は、面白い言動で和んだ直後に、彼の神がかった強さを見せつけられることになります。この予測不能な振れ幅こそが、騰というキャラクターの最大の魅力であり、読者を飽きさせない面白さの源泉なのです。
なんJでも語られる騰の面白エピソード

騰のユニークなキャラクターは、インターネットの匿名掲示板なんJ(なんでも実況J)など、多くのオンラインコミュニティでも頻繁に話題に上ります。
ファンたちは、彼の名言や迷言、面白い行動を引用しながら、その魅力について語り合っています。特に以下のようなエピソードは、定番の話題として人気です。
- 録嗚未いじりの数々:「また録嗚未死んでて草」といった形で、お決まりのネタとして楽しまれています。
- 風呂場でクロール:王騎と信がシリアスな話をしている温泉で、一人だけクロールで泳いでいたシーンは、多くの読者に衝撃を与えました。
- 王騎のものまね:蒙武に一蹴されるシーンも含めて、彼の愛すべき一面として語られています。
これらのコミュニティでの反応は、騰がいかに読者から「愛される面白いキャラクター」として認識されているかを如実に示しています。彼の行動一つひとつが読者の心に刺さり、「この面白さを誰かと共有したい」と思わせる力を持っているのです。
作品を読むだけでなく、こうしたファンコミュニティでの反応を見てみることで、騰というキャラクターの面白さをより一層深く味わうことができるかもしれません。
キングダムの騰は面白いだけじゃない深層

ここまで騰のコミカルな側面に光を当ててきましたが、彼の本当の魅力は、その面白さの奥深くにこそ存在します。
一見すると掴みどころのない飄々とした態度の裏には、計り知れない覚悟と、決して揺らぐことのない忠義の魂が秘められています。なぜ彼はただ強いだけでなく、これほどまでに私たちの心を打つのでしょうか。
ここからは、彼のキャラクターの根底にある「深層」へと迫ります。史実に名を残すもう一人の〝騰〟の姿、偉大な主君・王騎と育んだ言葉以上の絆、そして彼の運命を左右する今後の展開。彼の面白さを支える、人間としての深淵を紐解いていきましょう。

キングダムの騰は史実ではどんな人物?

『キングダム』で個性的なキャラクターとして描かれる騰ですが、実は彼のモデルとなった人物が史実にも存在します。その名は内史騰(ないし とう)。彼は単なる武将ではなく、秦の政治家としても重要な役割を果たした人物でした。
漫画の騰と史実の内史騰には、いくつかの共通点と相違点があります。
項目 | キングダムの騰 | 史実の内史騰 |
---|---|---|
役割 | 王騎の副官から六大将軍へ。生粋の武人。 | 秦の将軍であり、「内史」という首都圏を治める文官(長官)でもあった。 |
最大の功績 | 作中では合従軍戦での臨武君討伐など多数。 | 紀元前230年、戦国七雄の中で最初に韓を滅亡させた総大将。 |
性格・特徴 | ユーモラスで飄々としている。「ファルファル」など創作要素が多い。 | 冷静かつ堅実な人物であったと記録されている。ユーモラスな描写はない。 |
最も大きな違いは、やはりその役割とキャラクター性です。『キングダム』では生粋の武人として描かれていますが、史実では軍事と政治の両方で才能を発揮した、いわば文武両道の人物だったのです。
史実と創作の融合
もちろん、「ファルファル」や録嗚未いじりといったコミカルな要素は、原泰久先生による完全な創作です。しかし、史実で「韓を滅ぼす」という中華統一の口火を切る大役を果たした重要人物を、これほどまでに魅力的で面白いキャラクターに昇華させた点に、キングダムという作品の凄みがあります。
史実を知ることで、現在進行中の韓攻略戦における騰の活躍が、歴史的な大事業であることが分かり、より一層物語に深みを感じられるはずです。
作中で王騎と騰の出会いは描かれたか

騰を語る上で欠かせない王騎将軍との関係ですが、二人の最初の出会いを描いた具体的なエピソードは、現在のところ原作では描かれていません。
物語が始まった時点で、騰はすでに王騎軍の副官として絶対的な信頼を得ており、二人の間には長年にわたる固い絆が存在することが示唆されています。
作中の描写から、彼らの関係性を考察することは可能です。
- 阿吽の呼吸:王騎が「騰はいますか?」と問えば、多くを語らずともその意図を完璧に理解して行動に移すなど、二人の間には言葉以上のコミュニケーションが成立しています。
- 絶対的な信頼:前述の通り、王騎は騰の実力を「私に見劣りしない」と評価しており、自身の死に際しては、軍のすべてを彼に託しました。
- 深い敬愛:王騎の死に直面した際、騰は表情こそ変えませんでしたが、血が滲むほど拳を握りしめ、その悲しみの深さを見せました。王騎の模倣も、この敬愛の念の表れです。
これらの描写から、二人が単なる主従関係を超え、互いを深く理解し合う戦友、あるいは兄弟のような存在であったことが伺えます。出会いのシーンは描かれていなくとも、彼らのやり取りの端々から、共に数多の死線を越えてきたであろう長い歴史を感じ取ることができるのです。
城壁から飛び降りたシーンの衝撃

騰の身体能力と人間性を象徴するシーンとして、韓攻略戦で見せた城壁からの飛び降りが挙げられます。
このシーンは、韓の公主・寧(ねい)が自ら城壁から身を投げた際、彼女を救うために騰が間髪入れずに後を追って飛び降りたというものです。
この行動の何が衝撃的かというと、その常人離れした身体能力と、とっさの判断力にあります。かなりの高さがある城壁から飛び降りて、なおかつ空中で寧を捕らえ、無事に着地するという離れ業をやってのけました。着地の際には地面がクレーターのように陥没しており、その衝撃の凄まじさを物語っています。
このシーンは、騰がただ強いだけでなく、他者のために自らの危険を顧みない騎士道精神の持ち主であることを示しています。特に、政治的に孤立していた寧の孤独と信念に寄り添うような彼の態度は、多くの読者の心を打ちました。
普段の飄々とした態度からは見えにくい、彼の熱い魂と優しさが垣間見えたこのシーンは、騰の「面白い」だけではない、深い魅力を伝える名場面と言えるでしょう。
騰の死亡説と今後の展開を考察

物語が佳境に入るにつれ、読者の間で囁かれるのが騰の死亡説です。
しかし、結論から言うと、現時点で騰が死亡するという確定的な情報はありません。むしろ六大将軍として秦軍の中核を担い、最前線で活躍を続けています。
では、なぜ死亡説が浮上するのでしょうか。それにはいくつかの理由があります。
- 史実での記録:前述の通り、史実の内史騰は韓を滅ぼした後の記録が少なく、いつ亡くなったかが不明です。この歴史の空白が、物語の中での創作の余地を生んでいます。
- 世代交代の波:主人公である信や王賁、蒙恬といった若い世代が将軍として著しい成長を遂げており、物語の主役が彼らに移っていく中で、旧世代の退場は避けられないという見方です。
- 現在の強敵:現在進行中の韓攻略戦で対峙している韓の将軍・洛亜完(らくあかん)が、これまでにない知略と武力を持つ強敵として描かれており、この戦いが騰にとって最後の戦いになるのではないか、という憶測を呼んでいます。
あくまで憶測の域
注意点として、これらはすべて読者の考察や憶測であり、確定した未来ではありません。原先生が史実をベースにしつつも、大胆なオリジナル展開を加えることは周知の事実です。騰がこの先も生き残り、中華統一の行く末を見届ける可能性も十分に考えられます。
いずれにしても、彼の動向が今後の『キングダム』の物語を大きく左右する鍵となることは間違いなく、その一挙手一投足から目が離せません。
やはりキングダムの騰は面白い!

- 騰の面白さは録嗚未との絶妙な掛け合いにある
- 今は亡き主君・王騎の笑い方を真似る姿が印象的
- 謎の剣技「ファルファル」は彼の代名詞
- お茶目な性格と圧倒的な強さのギャップが最大の魅力
- なんJなどネットコミュニティでも愛されるキャラクター
- 史実では韓を滅ぼした重要人物「内史騰」がモデル
- キングダムの騰は史実をベースにした魅力的な創作キャラ
- 王騎との出会いは描かれていないが絆の深さは随所で表現
- 城壁からの飛び降りシーンは彼の身体能力と優しさの象徴