2024年春、帰ってきた“あの世界”に、私たちはまた惹き込まれている。
『黒執事 -緑の魔女編-』——それは、美しき復讐譚の新たな章であり、音楽が心を撃つアニメとしても、強烈な印象を残している。
オープニングテーマは、Cö shu Nie×HYDEという異色かつ奇跡のタッグによる「MAISIE」。
そしてエンディングテーマには、Z世代を中心に急激な人気を誇るボーイズグループ、龍宮城の「WALTZ」が起用されている。
この記事では、このOP・ED主題歌がなぜこれほど“刺さる”のかを、楽曲・映像・物語の三方向から解き明かしていく。
📝 この記事を読むとわかること
- 『黒執事 -緑の魔女編-』のOP&ED主題歌がなぜここまで作品にハマっているのかがわかる
- Cö shu Nie×HYDE「MAISIE」と龍宮城「WALTZ」の歌詞・演出・感情リンクの深さが腑に落ちる
- 主題歌がただのBGMではなく、“もうひとつの物語”として機能している理由に納得できる
『黒執事 -緑の魔女編-』とは?
シリーズのあらすじと「緑の魔女編」の位置づけ
『黒執事』は、枢やな原作によるゴシック・ファンタジー漫画を原作としたアニメシリーズ。
その特徴は、“死神・悪魔・契約”というダークな題材と、緻密に構成されたキャラクター同士の心理劇にある。
今回の『緑の魔女編』は、原作単行本でいうところの第22巻〜26巻にあたるエピソード。
舞台は英国からドイツの片田舎へと移り、“魔女伝説”とともに展開されるミステリー要素が強調されている。
「魔女とは何か?」「誰が嘘をついているのか?」
その問いが、視聴者の“信じる気持ち”をゆさぶる構成になっており、物語と音楽の共鳴がより強く感じられるシリーズになっている。
本作の持つダークファンタジーとゴシックの魅力
『黒執事』の魅力は単なるミステリーではない。
耽美的なビジュアルと退廃的な空気、そして時に残酷な現実と、それでも抗おうとする人間の尊厳が描かれている。
だからこそ、主題歌に求められるものは“ただ雰囲気に合っている”以上のものになる。
それはつまり、物語の“感情”を音楽で翻訳できる力だ。
この“翻訳者”として選ばれたCö shu NieとHYDE、そして龍宮城が、どうこの物語に音を重ねたのか。
次章ではまず、OPテーマ「MAISIE」の世界に潜っていこう。
OPテーマ「MAISIE」|Cö shu Nie×HYDEが描く“もうひとつの黒執事”
アーティスト紹介:Cö shu NieとHYDEの音楽的背景
まず注目すべきは、Cö shu NieとHYDEという、異なる音楽領域のアーティストが、黒執事という“感情濃度の高い物語”で手を組んだことだ。
Cö shu Nieは、独自のサウンドと緊張感あふれる構成で知られ、過去にも『東京喰種:re』『呪術廻戦』などで深い心理性を描く楽曲を提供してきた。
HYDEは言わずと知れたL’Arc〜en〜Cielのヴォーカリストであり、ソロとしてもゴシックや幻想をテーマにした表現を続けてきた存在。
このふたりが出会った瞬間、“音で物語を語る”準備が整ったのだ。
「MAISIE」歌詞に込められた意味とは
「MAISIE」は、少女の名前でありながら、どこか不穏で、不在の気配がある。
歌詞には、“君が望むなら、僕は悪魔になってもいい”というような、黒執事そのものを体現するフレーズが散りばめられている。
これは、シエルとセバスチャンの“契約関係”だけでなく、すべての登場人物が抱える「信じたいのに信じられない」感情と深く結びついている。
映像演出とリンクする音楽:OP映像の見どころ
OP映像では、蝶が羽ばたくシーンや、倒れたステンドグラスなど、破壊と再生を暗示するビジュアルが印象的だ。
そこに「MAISIE」のサウンドが重なると、悲劇性と高揚感が同居する、“黒執事的な快楽”が生まれる。
HYDEの高音とCö shu Nieのミニマルな構成が、静けさの中の狂気を表現している。
なぜ今、Cö shu Nie×HYDEだったのか?タイアップの必然性
これは単なる話題性のあるコラボではない。
作品の“空気”を音で再現できる人たちが、意図的に選ばれたのだ。
感情の起伏を抑えつつも、爆発寸前の“静かな狂気”を感じさせるこの曲は、まさに『黒執事』の内面そのものを音楽にしたような一曲だ。
このOPが流れるたびに、視聴者は物語に没入する“準備”を整えさせられる。それは、主題歌としてこれ以上ない仕事だ。
EDテーマ「WALTZ」|龍宮城が奏でる“余韻”の正体
龍宮城とは?メンバー構成と人気の理由
龍宮城は、LDH JAPAN所属のボーイズグループ。
EXILE TRIBEの系譜を継ぎつつも、若さとセンスを武器にZ世代から絶大な支持を集めている。
その特徴は、ダンス&ボーカルという枠を越えた“感情の届け方”。
『黒執事』のEDを担当するという知らせが出た瞬間から、SNSは大きな反響を見せた。
「WALTZ」のリリックに宿る感情の残響
「WALTZ」というタイトルがまず印象的だ。
これは単なるダンス音楽ではなく、“三拍子の揺らぎ”が物語の余韻を象徴している。
歌詞の中では、別れと再会、過去と現在が交錯し、誰かを想い続ける切なさが静かに紡がれていく。
「今でも、君の声が風に揺れる」——この一節に、黒執事ファンは涙を流した。
エンディングアニメーションと歌詞の交錯
ED映像は、光と影、現実と幻想が交差するような構成で、WALTZの旋律と完璧に同期している。
特に、セバスチャンが一瞬、振り返る場面は圧巻。
そこには“契約”ではない、人としての感情が宿っている。
視聴者は気づかないうちに、感情を揺らされ、胸を締め付けられる。それがこのEDの魔力だ。
黒執事における「終わり」の描き方とWALTZの親和性
『黒執事』はいつも、“続いてほしくない物語”を、“終わらせざるを得ない”形で描いてきた。
「WALTZ」はその“終わりの肯定”を、優しく包み込む歌だ。
それは、視聴後の沈黙すら作品の一部に変える——そんな力を持っている。
主題歌の魅力をさらに深掘り|音楽から読み解く『黒執事』
「MAISIE」×「WALTZ」対比から見える“二重構造”
「MAISIE」は始まりの混乱を、「WALTZ」は終わりの静寂を——この2曲はまるで表と裏のような存在だ。
感情のピークと余韻、怒りと祈り。
そんな“二重構造”が、この作品の深みを倍増させている。
「どちらか片方だけでは成立しなかった」。
それほどに、この2曲は補完しあう存在なのだ。
キャラクターと主題歌の感情的リンク
OPで響く「MAISIE」の中に、シエルの決意を聴き、
EDで囁かれる「WALTZ」の旋律に、セバスチャンの孤独を重ねてしまう。
もちろん公式にそう示されているわけではない。
だがそれほどまでに、音楽がキャラクターの“奥”と繋がっているのだ。
主題歌が心に残るアニメは、キャラの心に触れる歌でもある。
『黒執事 -緑の魔女編-』は、その究極を見せてくれた。
ファンの反応とSNSでの共感の波
放送開始直後、X(旧Twitter)では、#MAISIEや#WALTZがトレンド入り。
「OPでゾクっとして、EDで泣いた」
「黒執事、音楽まで完璧すぎる」
そんな声が続々と寄せられた。
それは単なるBGMではなく、物語体験の“感情ナビゲーター”としての主題歌に、多くの人が気づいた瞬間だった。
まとめ|『黒執事 -緑の魔女編-』は音楽でも物語を語る
主題歌がアニメにもたらした“新しい黒執事像”
今回の『黒執事 -緑の魔女編-』では、Cö shu Nie×HYDE「MAISIE」と龍宮城「WALTZ」という2曲の主題歌が、物語を“音楽で語る”という新しい在り方を提示しました。
音が言葉以上に感情を運び、旋律がシーンを語る。
その体験は、黒執事ファンにとっても新鮮であり、同時に“らしさ”を強く感じさせるものでした。
音楽と物語が溶け合う、至高のアニメ体験
アニメは映像とセリフだけで成り立っているわけではない。
その背景で鳴っている音、そしてOP・EDに至るまで、感情の導火線が丁寧に敷かれている。
『黒執事 -緑の魔女編-』は、まさにその設計が見事にハマった例だと言えるでしょう。
最後に、OPとEDが流れたあの瞬間を思い出してください。
あなたの心が動いたのは、物語と音楽が“共犯”していたからなのです。
📝 運営者の考察
主題歌って、作品の“顔”になれるかどうかが勝負だと思ってるんですが、『黒執事 -緑の魔女編-』の「MAISIE」と「WALTZ」はまさにそれ。OPが物語への“招待状”なら、EDは“祈り”だった。Cö shu Nie×HYDEの静かに燃えるような激情と、龍宮城の優しい余韻が、黒執事の物語の奥行きを何倍にもしてくれてる。キャラクターの感情とリンクしてるから、聴くたびに物語が思い出されて、また観たくなるんですよね。
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