1期が大ヒットした人気アニメ「盾の勇者の成り上がり」ですが、Season 2(2期)に対して「ひどい」という評判が数多く見られます。多くの視聴者が楽しみにしていた続編で、なぜこれほどまでに評価が分かれてしまったのでしょうか。その背景には、原作と違うストーリー展開、ファンの間で指摘される作画崩壊、そして物語の核となる脚本の問題など、複数の要因が複雑に絡み合っています。中には、あまりの2期改変に「2期なかったことに」してほしいという声や、人気の低迷から打ち切りになったのではという噂まで飛び交う事態となりました。この記事では、2期監督の交代が作品に与えた影響も含め、なぜ「盾の勇者の成り上がり 2期」がひどいと言われるのか、その真相をネット上の口コミや評判を基に徹底的に解説していきます。
この記事でわかること
- アニメ2期が「ひどい」と評価される具体的な理由
- 原作ファンが指摘するストーリー改変や作画の問題点
- 2期を飛ばして3期から視聴しても問題ないのか
- シリーズ打ち切りの噂の真相と3期以降の評価
なぜ「盾の勇者の成り上がり 2期 ひどい」と言われる?

- 原作と違う展開にファンが失望
- 物語の根幹に関わる2期の改変内容
- 稚拙と評されたアニメ2期の脚本
- 致命的だった作画崩壊とその理由
- 2期監督の交代は失敗だったのか
原作と違う展開にファンが失望

アニメ「盾の勇者の成り上がり」2期が批判される最大の理由は、原作小説から大きくかけ離れたストーリー展開にあります。1期は原作の魅力を丁寧に映像化し、理不尽な世界で成り上がっていくカタルシスが国内外で高い評価を得ましたが、2期ではその信頼を裏切るような展開が続きました。
多くのファンが指摘するのは、作品の根幹である「ダークファンタジーとしての魅力」が失われた点です。原作の「盾の勇者の成り上がり」は、単なる異世界転生ものではなく、人間の嫉妬や裏切り、社会の不条理といった重いテーマを扱い、どん底に突き落とされた主人公・尚文が苦悩しながらも仲間を信じ、成り上がっていく姿が読者の心を掴んでいました。
「毒」と「カタルシス」の喪失
原作の魅力であった「毒のある部分」や、尚文が復讐を遂げていくような「胸糞悪い展開を乗り越えるカタルシス」が、2期のアニメ化にあたってマイルドな表現に変更されました。これは、より広い視聴者層(ライト層)への配慮だったのかもしれませんが、結果として原作の持つ鋭い魅力や緊張感を削いでしまい、「ただの平凡な異世界アニメになってしまった」と多くの原作ファンを失望させる原因となりました。
キャラクター解釈の大きな相違
特に深刻だったのが、主人公・尚文のキャラクター解釈の違いです。原作の尚文は、裏切られた経験から人間不信に陥り、もっと皮肉屋で冷徹な一面を持っています。その彼がラフタリアやフィーロと出会い、少しずつ心を開いていく過程こそが物語の核でした。
しかし、アニメ2期では尚文の性格がかなり穏やかになっており、原作で見られた心の葛藤やダークな側面が十分に描かれていません。これにより、彼の行動の説得力が弱まり、キャラクターの深みが失われてしまったのです。
ファンからすれば、「こんなの尚文じゃない」と感じてしまうのも無理はありません。物語の展開だけでなく、キャラクターの内面という最も重要な部分が原作と違うと感じられたことが、失望感をより大きなものにしてしまいました。
このように、ストーリーの改変は単なるエピソードの変更に留まらず、作品が本来持っていたテーマ性やキャラクターの魅力を根底から揺るがすものでした。そのため、特に原作を深く愛するファンほど、2期の展開に強い拒否反応を示したのです。
物語の根幹に関わる2期の改変内容

2期の評価を著しく下げた要因として、物語の根幹に触れるほどの大胆な原作改変が挙げられます。単なるエピソードの省略にとどまらず、キャラクターの性格や物語の重要な伏線がカットされたことで、多くの矛盾が生じてしまいました。
修行編の完全カット
原作では、霊亀編の前に尚文たちが他の勇者と共に修行を積む「修行編」が存在します。このパートは、3期以降の展開で重要となる三勇者(元康、錬、樹)の人物像を深掘りしたり、リーシアの才能が開花するきっかけを描く重要な部分です。しかし、アニメ2期ではこの修行編が完全にカットされてしまいました。これにより、三勇者の行動原理が不明瞭になり、リーシアが突然強くなったように見えるなど、物語の説得力が大きく損なわれたのです。
キャラクターの性格・設定変更
特にヒロインであるラフタリアの性格改変は、多くのファンから批判されました。1期で見せた聡明で芯の強い姿は影を潜め、精神的に幼く、非合理的な行動を取るキャラクターとして描かれる場面がありました。これは、原作のラフタリア像とは大きく異なり、「キャラ崩壊」とまで言われるほどの改変でした。
改変による矛盾の発生
2期と3期の制作は同時に決定していたにもかかわらず、2期のアニメオリジナル展開が3期以降の原作ストーリーと矛盾する事態も発生しました。このため、制作側も後述する通り、3期で一部の設定を「なかったこと」として軌道修正せざるを得なくなっています。
稚拙と評されたアニメ2期の脚本

ストーリー構成、いわゆる脚本の質が著しく低下したことも、2期が「ひどい」と言われる大きな理由です。1クール全12話(最終話は13話)という尺の中に、原作の長大な「霊亀編」と「異世界編」を詰め込んだため、全体的に駆け足で説明不足な印象を与えました。
前半の「霊亀編」は、新キャラクターのオストに感情移入する間もなく悲劇的な別れが描かれるなど、展開が冗長で退屈だと感じる視聴者が少なくありませんでした。一方で、後半の「異世界編」は猛スピードで物語が進み、重要な設定や伏線がほとんど説明されないまま、唐突に問題が解決していくように見えました。
このように、視聴者が物語に没入するために必要な丁寧な描写が欠けていたため、「話がよくわからない」「ご都合主義に見える」といった批判が相次いだのです。
致命的だった作画崩壊とその理由

1期の高品質な作画も「盾の勇者の成り上がり」の魅力の一つでしたが、2期では作画クオリティの明らかな低下、いわゆる「作画崩壊」が頻繁に指摘されました。
特に戦闘シーンでは、キャラクターの動きが少なく単調で、迫力に欠ける場面が目立ちました。止め絵のような演出や、キャラクターの表情が崩れるカットも散見され、SNSでは「紙芝居のようだ」と揶揄されることもありました。この作画クオリティの低下は、なぜ起きてしまったのでしょうか。
制作体制の変更が原因か
1期の制作はアニメ制作会社「キネマシトラス」が担当していましたが、2期では韓国の制作会社「DR MOVIE」が共同制作として加わりました。ネット上では、作画作業の多くがDR MOVIEに委託された結果、品質管理が行き届かずにクオリティが低下したのではないかと推測されています。実際に、作画が特に不安定だった話数のエンドロールには、外国人スタッフの名前が多く記載されていました。
ストーリーだけでなく、視覚的なクオリティの低下も、視聴者の満足度を大きく下げる一因となりました。
2期監督の交代は失敗だったのか

2期のクオリティ低下の要因として、制作体制の中核である監督の交代を決定的な理由として挙げる声は非常に多く見られます。1期で作品を大ヒットに導いた阿保孝雄監督から、2期では神保昌登監督へとバトンが渡されました。この変更が、作品の方向性そのものを変えてしまったと指摘されています。
① 演出スタイルの違いがもたらした違和感
1期の阿保監督は、キャラクターの繊細な心理描写や、重厚で情緒的な雰囲気の演出に長けていました。特に、絶望に満ちた尚文の心情を視聴者に強く共感させた手腕は高く評価されています。しかし、2期の神保監督の演出下では、このシリアスな雰囲気が薄れ、物語のテンポやシーンごとの重みが大きく変わってしまいました。
例えば、重要な場面でもキャラクターの表情が乏しく、感情の起伏が伝わりにくいといった点が散見されました。これは単なる作画の問題だけでなく、「どう見せるか」という監督の演出方針に起因する部分が大きく、1期で没入感を覚えたファンほど、2期に強い違和感を抱く結果となったのです。
② 作品の魅力を捉えきれなかった構成力
監督は脚本や作画、音響など、作品制作のあらゆる要素をまとめ上げ、最終的なクオリティに責任を持つ立場です。その点で、2期は作品の核となる魅力を捉えきれていなかったと言わざるを得ません。
前述の通り、原作の魅力は「理不尽な逆境を乗り越えるカタルシス」にありますが、2期の構成ではその過程が大幅に省略・改変されました。重要な伏線をカットし、キャラクターの行動原理を十分に説明しないまま物語を進めたのは、脚本だけの問題ではなく、それを承認し、映像として形にした監督の構成力にも原因があったと見られています。
制作体制全体の変化
もちろん、2期の品質低下の責任を監督一人に押し付けるのは公平ではありません。以下の表の通り、制作体制には複数の変更点がありました。
Season 1 | Season 2 | |
---|---|---|
監督 | 阿保孝雄 | 神保昌登 |
アニメーション制作 | キネマシトラス | キネマシトラス / DR MOVIE |
シリーズ構成 | 小柳啓伍 | 小柳啓伍 |
海外スタジオとの連携や予算、制作スケジュールといった複合的な要因が絡み合った結果であることは想像に難くありません。しかし、それらの要素をまとめ上げ、作品の舵を取るのが監督の役割です。
結論として、様々な要因があったにせよ、1期と2期で作品の出来栄えに天と地ほどの差が生まれてしまった以上、ファンから「監督の交代は失敗だった」と見なされてしまうのは、避けられない結果だったと言えるでしょう。
「盾の勇者の成り上がり 2期 ひどい」評価の真相

- 打ち切り疑惑が浮上した背景とは
- では本当に打ち切りだったのか?
- 3期で2期なかったことにされた?
- 2期を飛ばして3期から見てもいい?
- V字回復?アニメ3期の評価
- 盾の勇者の成り上がり2期はひどいのか総括
打ち切り疑惑が浮上した背景とは

「盾の勇者の成り上がり 2期」は、その評価の低さから「打ち切りになったのではないか」という噂がネット上で広まりました。なぜこのような疑惑が浮上したのでしょうか。
主な原因は、後半のあまりにも駆け足なストーリー展開にあります。前述の通り、1クールで長大な物語を消化しようとしたため、終盤は特に性急な構成になっていました。このような唐突な終わり方は、人気が低迷したアニメが途中で放送を終える際の「打ち切り構成」に似ていると視聴者に受け取られてしまったのです。
原作からの大幅な改変や作画クオリティの低下といった問題が重なり、「制作側が作品を見限ったのではないか」という憶測を呼び、打ち切り説に信憑性を与える結果となりました。
では本当に打ち切りだったのか?

結論から言うと、「盾の勇者の成り上がり」シリーズが打ち切りになったという事実はありません。
2期は全13話で予定通り放送を終了しています。さらに、その証拠として、2期の放送終了後には正式に3期の制作が発表され、2023年10月から無事に放送されました。そして、2024年1月には4期も発表されており、シリーズは継続しています。
原作の小説やコミックスも連載が続いており、作品の人気自体が衰えたわけではありません。2期の「打ち切り構成」に見えた展開は、あくまで1クールという尺に物語を収めるための構成上の問題であり、シリーズ全体の打ち切りを意味するものではなかったのです。
3期で2期なかったことにされた?

2期で多くの批判を受けた制作側も、その問題点を認識していたのかもしれません。3期では、2期で描かれたアニメオリジナルの展開や設定の一部が、事実上「なかったこと」として扱われ、物語が原作の筋書きに沿う形で修正されています。
例えば、2期で生じた設定上の矛盾点を解消するため、キャラクターの言動が原作通りに補正されたり、省略された重要なエピソードが回想の形で補完されたりしています。これは、原作から逸脱してしまった物語を本来あるべき姿に戻すための「軌道修正」と言えるでしょう。
このことから、多くのファンは「制作陣も2期の失敗を認めているのではないか」と感じており、3期での改善に安堵の声を上げています。
ファンにとっては朗報
2期の改変に不満を持っていた原作ファンにとって、この軌道修正は歓迎すべきものでした。これにより、3期以降の物語を安心して楽しめるようになったという声が多く上がっています。
2期を飛ばして3期から見てもいい?

「2期の評判が悪いなら、いっそ飛ばして3期から見たい」と考える方もいるかもしれません。この点については、一概に「問題ない」とも「見るべき」とも言えないのが実情です。
2期を飛ばすメリット
前述の通り、3期では2期のアニオリ展開が一部修正されているため、話の大筋を理解する上で致命的な支障はありません。評判の悪い2期を視聴することで作品へのモチベーションが下がってしまうのを避けたいのであれば、2期を飛ばして3期に進むのも一つの選択肢です。
2期を飛ばすデメリット
一方で、2期で登場したオストや絆といった新キャラクターは3期以降の物語にも関わってきます。彼らがどのような経緯で尚文たちと出会ったのかを知らないと、3期の人間関係が分かりにくく感じる可能性があります。また、2期で他の勇者たちに何があったのかも、3期を理解する上で重要な要素となります。
おすすめの視聴方法
もし時間に余裕があるなら、2期は「こういう出来事があった」と割り切って視聴するか、あらすじサイトなどで内容を把握してから3期に進むのが最もおすすめです。これにより、物語の繋がりを保ちつつ、スムーズに3期を楽しむことができます。
V字回復?アニメ3期の評価

多くのファンが不安と期待の入り混じった気持ちで迎えた3期ですが、その評価は「見事にV字回復を遂げた」という声が多数を占めています。
2期で問題視された点は大幅に改善されました。
- 作画クオリティの向上:戦闘シーンやキャラクターの表情が丁寧に描かれ、1期に近い品質を取り戻しました。
- 丁寧なストーリー構成:駆け足展開は影を潜め、キャラクターの心理描写や成長がじっくりと描かれるようになりました。
- 原作への回帰:物語が再び原作の筋に沿ったものとなり、原作ファンも納得のいく内容となっています。
この劇的な改善により、「これぞ見たかった盾の勇者だ」「2期の悪夢を払拭してくれた」と、ファンからは称賛の声が上がっています。3期の成功は、シリーズへの信頼を回復させる大きな一歩となりました。
盾の勇者の成り上がり2期はひどいのか総括

- 2期がひどいと言われる最大の理由は原作からの大幅な改変
- 重要な修行編がカットされキャラクターの行動原理が不明瞭になった
- ラフタリアをはじめとする主要キャラの性格が原作と異なり違和感を生んだ
- 脚本の構成に問題があり前半は退屈で後半は駆け足という印象を与えた
- 1期に比べ作画クオリティが著しく低下し作画崩壊が指摘された
- 制作体制の変更(監督交代・海外スタジオとの共同制作)が原因と推測される
- 物語の性急な終わり方から打ち切り疑惑が浮上した
- 実際には打ち切りではなくシリーズは3期・4期へと続いている
- 2期のオリジナル展開は3期で一部なかったことにされ軌道修正された
- 2期を飛ばしても3期の話の大筋は理解できるが新キャラの登場部分は注意が必要
- 3期は作画・脚本ともにクオリティが大幅に改善されV字回復と評されている
- 2期の評価は特に原作ファンからの厳しい意見が目立つ
- 一方でアニメから入った視聴者の中には普通に楽しめたという声もある
- 結論として2期は多くの欠点を抱えるがシリーズ全体の魅力が失われたわけではない
- 3期以降の評価も踏まえシリーズを通して視聴するか判断するのがおすすめ